君の熱で甘く、溶ける。

と二人を眺めていると、ふと美々ちゃんとパチリと視線が合う。悪いことなんてしてないのにどこかバツが悪くなって、つい反らしてしまう。


「ねぇねぇ、橘ちゃん。今日はマネージャーさんは橘ちゃんだけなの？」



「……うん。みんな用事あるみたいで」



「ええ！大変だね、マネージャーって。美々には無理かも〜！」


そう言って笑う姿は誰からも見ても可愛い。本当にアイドル顔負けの可愛さに後輩たちも「確かにそんなに華奢な腕じゃ重い荷物持つのも心配ですよね〜」とメロメロだ。


「………」


ちらりと逢坂くんを盗み見ると、ぶすっと不機嫌そうな顔で美々ちゃんを見ている。


そりゃ、そんな顔にもなるよね。誰だって自分の好きな人が他の異性から好意を持たれているところなんて見たくもない。


ーーもちろん、私も。