きみのためならヴァンパイア
☽
金の瞳は冷たくて、見れば射ぬかれてしまいそう。
それなのに触れた手のひらはあたたかく、どこか優しい。
「ーー噛みついて、いい?」
返事も待たず、今宵も私の首筋を噛む。
きみはヴァンパイアの王様。
ーー私はもう、逃げられない。
☽
< 1 / 174 >
メニュー