彼女はまだ本当のことを知らない
 ランスロットから聞かされる意外な事実。
 しかし、体をあちこち弄られていては、考えもうまく纏まらない。

「こうなったからには、もう離さないよ。君はもう俺のものだ」
「そんな…あ、ああん、や、そこ…やめ」
 
 ランスロットが揺れる私の胸を揉みしだき、乳首を摘む。

「胸でこんなに感じるなんて…ああ、この胸に齧り付き、谷間に顔を埋めたいと、ずっと思っていた」
「ああ、んん、らめ…そんな…あん」
「君に近づこうとする輩が多くて、どれだけやきもきしたか。彼らを蹴散らすのに、苦労したよ」
「え…私に…それって…ど、どういう…あ、ああん」

 敏感になった乳首をピンと弾かれ、喘いだ。
 お腹の奥から、温かいものが湧き出てくる。

「まさか…今までも…」
「そうさ。俺のタニヤに不埒な思いで近づこうとした奴らは、皆、君に対して変な望みを抱くなと諭してやった」
「諭して…まさか、脅したり…」

 考えたくないが、彼が冷静な態度で接したとは思えない。
 私の問いかけに、胸にしゃぶりついていた彼の唇が、うっすらの弧を描いた。

「安心して。殺したりはしていない」

 もしかしたら、それに近いことはしたのかも知れないという考えが浮かんだ。

「なのに、君は…お互いに大人だからと、割り切った関係で片付けようとするなんて…許さない。俺の想いをこの体に刻みつけて、二度とそんな風に考えないようにしてやる」
「や、あ、だめぇ」

 指が抜かれ、代わりに別のものが体に入ってくる。
 それはさっき見たランスロットのそそり勃つ男根。
 昨夜はよくわからなかったが、あんな太くて大きいものが、本当に自分の中に入ったのかと、信じられない。

「く…タニヤ…力…抜いて…そんな締め付けるな…」
「無理…そんな、おっきいの…んん」
「昨夜はちゃんと入ったんだから…君と俺は…番…」

 
 無理だと思うのに、火傷しそうなくらい熱い彼のものが侵入してくると、ゾクゾクと体の奥から波が押し寄せてきた。

「ああ…君の中は…俺のものを包み込んで…最高だ…もう…君しか…考えられない」

 私が彼のものを受け入れているなんて、今でも信じられない。間近で見るランスロットの顔は、どの角度でも美しい。
 
「タニヤ…愛している…俺の『番』」
「あああ」
 
 ズンッと一番奥に彼のものが突き当たり、私は思わず嬌声を上げた。

「きみの…なかは、なんて、気持ちいいんだ。俺のを締め付けて、ああタニヤ」

 恍惚とした表情を浮かべるランスロット。そんな表情をさせているのが、私なのだということに、不思議な高揚感を覚える。
 
「動くぞ」
「ま、ああ…」

 彼が腰を動かし、私の中から引き抜こうとする。
 私の膣壁に、彼の括れが摩擦を起こし、私は喘いだ。

「タニヤ、タニヤ」
「ラ、ランスロット」

 互いの名を呼び合い、彼の動きに合わせて私も腰を揺らす。
 律動を繰り返しながら、彼の唇が何度も私の口を掠める。

「や、ああ、来ちゃう、あ、ああ」

 だんだんと激しくなる腰の動きに合わせ、どんどん高みに昇りつめていく。

「タニヤ、俺も…俺もだ。一緒に」

 思い切り腰を引いて、抜けそうになる。そこから、ズウンと一気に貫かれると、私は頂点に達し思い切り中の彼を締め付けた。

「う、タニヤァ」

 彼が絶叫し、痙攣したと思うと中に熱く滾ったものが放たれるのがわかった。
 それは二度、三度と繰り返される。

「タニヤ…俺のを呑め、俺の子を…孕め」

 噛み締めた唇の隙間から獣のような唸り声が漏れ、ギラギラと獲物を捕食する視線が私に注がれる。

「ラ…ランスロット」

 捉えられた獲物は、明らかに私。
 ランスロット=テスターから逃げ切るなんて出来ない。
 
「なぜ泣く」

 いつの間にか私は泣いていた。目尻から流れ落ちる涙を、ランスロットがチロリと舌で舐め取る。

「俺とは…嫌か?」

 まだ繋がったまま、そう問いかけるランスロットは、不安げで自信なさげだった。
 あれほどいつも自信に満ち溢れ、皆から頼りにされている彼からは想像できない。

「違う、わからない。わからないけど…涙が…ご、ごめんなさい。私…」
「タニヤ、謝らなくていい」

 そんな私を彼はギュウっとその力強い腕で抱き寄せ、温かく逞しい胸に閉じ込めた。

「あなたと…こんな風になれたことは…イヤじゃないんです。とても…気持ちいい」

 初めての相手だったけど、体の相性がいいことはわかる。
 単に彼がうまいのだろうけど。

「…俺もだ。夢中になりすぎて、歯止めが効かなくなる」

 少し抱擁を解き、彼がチュッと軽く唇にキスをする。
 彼の檻に閉じ込められ、優しく触れられるのは、特別感があって最高に心地良かった。
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