彼女はまだ本当のことを知らない
女性とのつきあいに慣れた彼にとっては暇つぶしの戯れ。もっと世慣れた女性ならそれもお楽しみだと割り切れるのだろうが、結婚相手どころか恋人の一人もいたことがないタニヤには、歩き始めたばかりの赤子に全力疾走しろと言っているようなものだ。
「気持ちいいと、タニヤの体が言っているよ。聞こえるだろ」
テイラーの指が薄い下着の布地から中へと入り込む。そこは最初から穴が開いていて、不良品かと思ったがこういうことだったのかと、ようやく納得した。
まだ男性を受け入れたことのないタニヤの入り口はとても狭く、指一本でもきつい。
「もうちょっと解さないとね」
それでもしっかりテイラーとのやりとりで溢れてきた蜜が、彼の指を滑らかに受け入れていく。
「あ、ふゃあ」
中に入った指がある部分を刺激すると、またもや新たな痺れにも似た快感が体を突き抜けた。
「ああ、ここ、タニヤの気持ちいいところなんだ」
ペロリと舌なめずりして嬉しそうに笑う。何が嬉しいのか。
「あ、ああ、ああん」
「タニヤの下の口、俺の指を咥えて引きちぎられそうだ」
同じ所を何度も何度も突かれ、タニヤが髪を振り乱して悶えた。
一本だった指が二本になり、さらにその質量が増しバラバラにタニヤの中を掻き回す。
「や、あ、やめ」
「やめるの? こんなにたくさん気持ちよさそうに蜜を垂らしてるのに。俺の指も膝もぐっしょりなんだけど」
タニヤの脚の間から抜いた手を彼が見せつける。二本の指からぐっしょりと濡れていて、手首まで伝っている。そして下を見れば彼のズボンに濃い染みが出来ている。
そしてその濡れた指を、彼女の目の前で舐め始めた。
「美味しい。タニヤの味がする」
「そ、そんなの美味しい筈が・・」
既に真っ赤になっていたタニヤは、もっと赤くなるのを感じた。
「だって本当のことだ」
そう言って手首にまで舌を這わせて、タニヤを見つめながら全て舐め尽くしていく。
その仕草と視線の色気に当てられ、クラクラとなる。
これ以上深入りしたら抜け出せなくなる。すでに視線は彼に引き寄せられ、息苦しさに胸を押さえた。
「本当に?」
たとえそれがリップサービスだったとしても、女性としての自分に自信の無かったタニヤを、少しは価値ある存在だと思わせてくれた。
身分の高い彼に、貧乏貴族の自分はどうしたって釣り合わない。
ここで一線を越えてしまったら、今までの関係はきっと続けられない。彼のことを目で追い、少しでも近づこうと、少しでも彼の気を引こうと無様に次の順番が回ってくるまで、数多の女性達と同じ列に並ぶのだ。そして彼が気まぐれにタニヤを選び、またひとときの相手に選んでくれるかもわからないのに、ずっとずっと順番が回ってくるのを待ち続ける自分の姿が容易に想像できた。
「ああ、君のすべてを俺のものにしていい?」
彼女の顎を捉え、顔を近づけてどこまでも甘い声でそんなことを言われたら、もう拒むことなどできない。
「だめだよ、ちゃんと口で言って」
黙って頷こうとしたのを止められる。
「ちゃんと口で、気持ち教えて。俺のものになるって」
「そ・・」
そんなことを口にしたことなど、もちろんない。ここまですべてを曝け出したことも初めてだ。
これまで興味はあっても、恋愛や男女の睦みごとに積極的になったことはなかった。
ここから先は想像の中にしかなかった未知の世界。
「お、俺のものになりみゃしゅ」
「え?」
は、間違えたし噛んだとタニヤは思ったが、もう遅い。ぱちくりとこちらを見る隊長と目が合い、慌てて「き、聞かなかったことにしてください」と言って恥ずかしさに手で顔を隠そうとするが、それより早く腕を掴まれ遮られた。
「なに今の・・めっちゃ可愛いんだけど」
「いえ、本当に忘れてください」
「無理、今の台詞は一生憶えておく」
「や、やめてください」
「そんな可愛いタニヤ、もっと見たいな」
「か、からかわないでください。私が可愛いわけないじゃないですか」
これまで告白をしたことも、されたこともない。する方は、此方に勇気がいるし、そこまでして付き合いたい相手もいなかったから仕方が無い。でも自分が男性にとって魅力的な女性に見えないから、告白すらされないのだとわかっている。
「そんなことない。俺の見てよ。タニヤが可愛くて魅力的だから、こうなっているんだ」
ズボンを降ろして見せてくれたものは、とても大きかった。他の男性のを見たことがないが、それは充分に大きく、そして長い。
―え、あんなの入るの? 普通に無理だと思うけど。
「大丈夫、ちゃんと入るから」
タニヤの考えを見透かし何も聞いていないのに、テイラーが言った。
「だから、言って。ランスロットのがほしいって」
さっきの教訓を活かして今度は間違えてもいいように、自分の名前を口にする。
「ほら、どうぞ」
「う・・」
「聞きたいな、タニヤ」
「・・ラ、ランスロットの・・ください」
これが自分の今の精一杯だった。
「気持ちいいと、タニヤの体が言っているよ。聞こえるだろ」
テイラーの指が薄い下着の布地から中へと入り込む。そこは最初から穴が開いていて、不良品かと思ったがこういうことだったのかと、ようやく納得した。
まだ男性を受け入れたことのないタニヤの入り口はとても狭く、指一本でもきつい。
「もうちょっと解さないとね」
それでもしっかりテイラーとのやりとりで溢れてきた蜜が、彼の指を滑らかに受け入れていく。
「あ、ふゃあ」
中に入った指がある部分を刺激すると、またもや新たな痺れにも似た快感が体を突き抜けた。
「ああ、ここ、タニヤの気持ちいいところなんだ」
ペロリと舌なめずりして嬉しそうに笑う。何が嬉しいのか。
「あ、ああ、ああん」
「タニヤの下の口、俺の指を咥えて引きちぎられそうだ」
同じ所を何度も何度も突かれ、タニヤが髪を振り乱して悶えた。
一本だった指が二本になり、さらにその質量が増しバラバラにタニヤの中を掻き回す。
「や、あ、やめ」
「やめるの? こんなにたくさん気持ちよさそうに蜜を垂らしてるのに。俺の指も膝もぐっしょりなんだけど」
タニヤの脚の間から抜いた手を彼が見せつける。二本の指からぐっしょりと濡れていて、手首まで伝っている。そして下を見れば彼のズボンに濃い染みが出来ている。
そしてその濡れた指を、彼女の目の前で舐め始めた。
「美味しい。タニヤの味がする」
「そ、そんなの美味しい筈が・・」
既に真っ赤になっていたタニヤは、もっと赤くなるのを感じた。
「だって本当のことだ」
そう言って手首にまで舌を這わせて、タニヤを見つめながら全て舐め尽くしていく。
その仕草と視線の色気に当てられ、クラクラとなる。
これ以上深入りしたら抜け出せなくなる。すでに視線は彼に引き寄せられ、息苦しさに胸を押さえた。
「本当に?」
たとえそれがリップサービスだったとしても、女性としての自分に自信の無かったタニヤを、少しは価値ある存在だと思わせてくれた。
身分の高い彼に、貧乏貴族の自分はどうしたって釣り合わない。
ここで一線を越えてしまったら、今までの関係はきっと続けられない。彼のことを目で追い、少しでも近づこうと、少しでも彼の気を引こうと無様に次の順番が回ってくるまで、数多の女性達と同じ列に並ぶのだ。そして彼が気まぐれにタニヤを選び、またひとときの相手に選んでくれるかもわからないのに、ずっとずっと順番が回ってくるのを待ち続ける自分の姿が容易に想像できた。
「ああ、君のすべてを俺のものにしていい?」
彼女の顎を捉え、顔を近づけてどこまでも甘い声でそんなことを言われたら、もう拒むことなどできない。
「だめだよ、ちゃんと口で言って」
黙って頷こうとしたのを止められる。
「ちゃんと口で、気持ち教えて。俺のものになるって」
「そ・・」
そんなことを口にしたことなど、もちろんない。ここまですべてを曝け出したことも初めてだ。
これまで興味はあっても、恋愛や男女の睦みごとに積極的になったことはなかった。
ここから先は想像の中にしかなかった未知の世界。
「お、俺のものになりみゃしゅ」
「え?」
は、間違えたし噛んだとタニヤは思ったが、もう遅い。ぱちくりとこちらを見る隊長と目が合い、慌てて「き、聞かなかったことにしてください」と言って恥ずかしさに手で顔を隠そうとするが、それより早く腕を掴まれ遮られた。
「なに今の・・めっちゃ可愛いんだけど」
「いえ、本当に忘れてください」
「無理、今の台詞は一生憶えておく」
「や、やめてください」
「そんな可愛いタニヤ、もっと見たいな」
「か、からかわないでください。私が可愛いわけないじゃないですか」
これまで告白をしたことも、されたこともない。する方は、此方に勇気がいるし、そこまでして付き合いたい相手もいなかったから仕方が無い。でも自分が男性にとって魅力的な女性に見えないから、告白すらされないのだとわかっている。
「そんなことない。俺の見てよ。タニヤが可愛くて魅力的だから、こうなっているんだ」
ズボンを降ろして見せてくれたものは、とても大きかった。他の男性のを見たことがないが、それは充分に大きく、そして長い。
―え、あんなの入るの? 普通に無理だと思うけど。
「大丈夫、ちゃんと入るから」
タニヤの考えを見透かし何も聞いていないのに、テイラーが言った。
「だから、言って。ランスロットのがほしいって」
さっきの教訓を活かして今度は間違えてもいいように、自分の名前を口にする。
「ほら、どうぞ」
「う・・」
「聞きたいな、タニヤ」
「・・ラ、ランスロットの・・ください」
これが自分の今の精一杯だった。