Snow blossom
第43話
遅刻確定である朝の時間。
教室ではすでにHRが始まっていた。
平然とした顔で、
後ろの出入り口から2人は
静かに教室に入った。
「なんだ、なんだ?珍しい組み合わせだな。
堂々と遅刻だけども…。まあ、いいや。
漆島と綾瀬ね。すぐに席座って。」
担当の先生は、
特に強く指摘することもなく
さっぱりとした対応だった。
雪はホッと一息ついて、
桜は次の授業の教科書を出して
気持ちを落ち着かせていた。
隣にいた菊地雄哉は
特に気にする素ぶりも見せず
いつも通り、教壇に立つ担任を見ていた。
雪や桜のことは見向きもしない。
もしかしたら、想像以上に
考えすぎていたのかもしれない。
雪は右手で左肩をぽりぽりとかき、
何だか考えすぎていた自分は
おかしかったかなと改めた。
外の空を見ると青空が広がっていた。
心が晴れやかになった。
桜もほっと安心して、教科書を出して
授業の準備をした。
****
その頃の亮輔は、ベッドの上、
額に熱さまシートをつけて
体温計を脇に挟んでくしゃみを
連発していた。
「ちくしょー。
誰か俺の噂してんのかな。」
鼻水がずるずると流れていた。
ティッシュを鼻にあてて
ずずーと拭った。
ベッドからゴミ箱に
ぽいっと入れようとしたが、
入らなかった。
「今日は全然ついてないな。」
ゴミ箱に入れて直して、
またふとんを頭からかけて横になった。
トラックが近所を走っていた。
ガタガタと振動が響いている。
教室ではすでにHRが始まっていた。
平然とした顔で、
後ろの出入り口から2人は
静かに教室に入った。
「なんだ、なんだ?珍しい組み合わせだな。
堂々と遅刻だけども…。まあ、いいや。
漆島と綾瀬ね。すぐに席座って。」
担当の先生は、
特に強く指摘することもなく
さっぱりとした対応だった。
雪はホッと一息ついて、
桜は次の授業の教科書を出して
気持ちを落ち着かせていた。
隣にいた菊地雄哉は
特に気にする素ぶりも見せず
いつも通り、教壇に立つ担任を見ていた。
雪や桜のことは見向きもしない。
もしかしたら、想像以上に
考えすぎていたのかもしれない。
雪は右手で左肩をぽりぽりとかき、
何だか考えすぎていた自分は
おかしかったかなと改めた。
外の空を見ると青空が広がっていた。
心が晴れやかになった。
桜もほっと安心して、教科書を出して
授業の準備をした。
****
その頃の亮輔は、ベッドの上、
額に熱さまシートをつけて
体温計を脇に挟んでくしゃみを
連発していた。
「ちくしょー。
誰か俺の噂してんのかな。」
鼻水がずるずると流れていた。
ティッシュを鼻にあてて
ずずーと拭った。
ベッドからゴミ箱に
ぽいっと入れようとしたが、
入らなかった。
「今日は全然ついてないな。」
ゴミ箱に入れて直して、
またふとんを頭からかけて横になった。
トラックが近所を走っていた。
ガタガタと振動が響いている。