Snow blossom
第60話
桜が女友達と一緒に帰ると言われて、
雪は寂しく感じた。
近くで様子を見ていた瑞希は、
肉まんをおごってくれるなら一緒に帰ってあげるよと条件をつけられた。
雪は、1人で帰るよりマシかと思い、致し方なく、瑞希に肉まんをおごりながら、家路に向かった。
その様子を見ていたのは石川亜香里だった。
交際しているのは明らかに桜と雪のはずなのに、なんで妹の瑞希と一緒にいるのかと疑問で仕方なかった。
亜香里は雪にカマをかけるのを企てた。
雪は一緒に瑞希と帰ったことを後悔することとなる。
◇◇◇
翌日、面白がっている亜香里は、
雪にちょっかいをかけた。
「おはよう。雪ちゃん?」
昇降口前で会いたくない人に会う雪だった。
「おはよう。」
とりあえずは挨拶だけはしとこうと作り笑顔で対応した。
「昨日、見たよぉ。
なんでさ、桜と付き合ってるのに、
瑞希といっしょに帰ってるの?
ねぇ、浮気?
それとも同じ顔だから気持ち揺らいだん?」
ズイズイ聞いてくる由香里に腹が立つ雪は
無視してすり抜けようとした。
「え、雪、昨日、瑞希と一緒だったの?」
ちょうどタイミング良く、隣を通りかかった桜がいた。
「あ、桜。おはよう。」
「うん。おはよう。
んで?瑞希と帰ったの?」
桜は瑞希から事情を聞いてないみたいでぐいぐい聞いてくる。その横にいた由香里はニヤニヤして修羅場になりそうな様子を楽しんでいた。
「あ、うん。瑞希と帰ったんだ。
肉まんおごってって言われたから。」
「へぇー、私にはおごったことないのに
瑞希にはおごるんだね。」
「え、ちょっと待ってよ。
昨日、桜は友達と帰るって言ったから俺が誰と帰ろうと自由でしょう。」
「自由かもしんないけど、過去に付き合ったことある人と帰るのは…。」
「過去って、桜の妹でしょう。
何が問題あるのさ。」
「…ごめん。話したくない。」
桜はご機嫌斜めになった。
雪がいくら弁明しようと思っても修復は難しそうだった。
「うわぁ、楽しい話だね。」
横でニヤニヤと見ていた由香里が通り過ぎる。
雪はモヤモヤした気持ちで舌打ちをする。
一緒に帰るのを我慢したのに、
どうしてこんな仕打ちにならないと
いけないのか不思議で仕方なかった。
女子ってわからないと頭を悩ませる。
「よぉ。雪、久しぶり。
大丈夫か?」
亮輔が通りかかった。雪は安堵する。
「亮輔ー、助けて。
俺、よかれと思ったことがよくなかった。」
「何、言ってるんだよ。
いつも通りだろ?」
「えー、なんでそういうこと言う?」
「ダメで元々だろう。
過信しすぎはよくない。
いいんだって、それくらいで。」
「落ち込むわ。
もう、女子はわからない生き物だ。」
「性別が違うんだから、違うの当たり前だろ。」
「そりゃぁ、そうだ。」
「わからないから面白いこともあるだろ。
秘密の花園〜ってか。」
「あー、そういうことか。
俺はどうしたいんだ…。」
「彼女がいるだけでもありがたいと思え。な。」
亮輔は雪の肩をポンと叩いた。
それでもうなだれる雪だった。
本鈴のチャイムが鳴る。
2人は慌てて、教室まで走った。
雪は寂しく感じた。
近くで様子を見ていた瑞希は、
肉まんをおごってくれるなら一緒に帰ってあげるよと条件をつけられた。
雪は、1人で帰るよりマシかと思い、致し方なく、瑞希に肉まんをおごりながら、家路に向かった。
その様子を見ていたのは石川亜香里だった。
交際しているのは明らかに桜と雪のはずなのに、なんで妹の瑞希と一緒にいるのかと疑問で仕方なかった。
亜香里は雪にカマをかけるのを企てた。
雪は一緒に瑞希と帰ったことを後悔することとなる。
◇◇◇
翌日、面白がっている亜香里は、
雪にちょっかいをかけた。
「おはよう。雪ちゃん?」
昇降口前で会いたくない人に会う雪だった。
「おはよう。」
とりあえずは挨拶だけはしとこうと作り笑顔で対応した。
「昨日、見たよぉ。
なんでさ、桜と付き合ってるのに、
瑞希といっしょに帰ってるの?
ねぇ、浮気?
それとも同じ顔だから気持ち揺らいだん?」
ズイズイ聞いてくる由香里に腹が立つ雪は
無視してすり抜けようとした。
「え、雪、昨日、瑞希と一緒だったの?」
ちょうどタイミング良く、隣を通りかかった桜がいた。
「あ、桜。おはよう。」
「うん。おはよう。
んで?瑞希と帰ったの?」
桜は瑞希から事情を聞いてないみたいでぐいぐい聞いてくる。その横にいた由香里はニヤニヤして修羅場になりそうな様子を楽しんでいた。
「あ、うん。瑞希と帰ったんだ。
肉まんおごってって言われたから。」
「へぇー、私にはおごったことないのに
瑞希にはおごるんだね。」
「え、ちょっと待ってよ。
昨日、桜は友達と帰るって言ったから俺が誰と帰ろうと自由でしょう。」
「自由かもしんないけど、過去に付き合ったことある人と帰るのは…。」
「過去って、桜の妹でしょう。
何が問題あるのさ。」
「…ごめん。話したくない。」
桜はご機嫌斜めになった。
雪がいくら弁明しようと思っても修復は難しそうだった。
「うわぁ、楽しい話だね。」
横でニヤニヤと見ていた由香里が通り過ぎる。
雪はモヤモヤした気持ちで舌打ちをする。
一緒に帰るのを我慢したのに、
どうしてこんな仕打ちにならないと
いけないのか不思議で仕方なかった。
女子ってわからないと頭を悩ませる。
「よぉ。雪、久しぶり。
大丈夫か?」
亮輔が通りかかった。雪は安堵する。
「亮輔ー、助けて。
俺、よかれと思ったことがよくなかった。」
「何、言ってるんだよ。
いつも通りだろ?」
「えー、なんでそういうこと言う?」
「ダメで元々だろう。
過信しすぎはよくない。
いいんだって、それくらいで。」
「落ち込むわ。
もう、女子はわからない生き物だ。」
「性別が違うんだから、違うの当たり前だろ。」
「そりゃぁ、そうだ。」
「わからないから面白いこともあるだろ。
秘密の花園〜ってか。」
「あー、そういうことか。
俺はどうしたいんだ…。」
「彼女がいるだけでもありがたいと思え。な。」
亮輔は雪の肩をポンと叩いた。
それでもうなだれる雪だった。
本鈴のチャイムが鳴る。
2人は慌てて、教室まで走った。