死神に恋した私
第2章
友達
「お待たせ!」
5人で集まって、スイーツパラダイスにきた。あれを食べたいだの、これを食べたいだの。各各の食べたい物を盛っていった。
「幸菜(ゆきな)ー、ピスタチオのスイーツあるよ!」
「え、食べたい!」
澪はその中で、少し特殊だった。彼女が好きな物は、カレー。少し大きめのさらに乗せると、すぐさま友奈が指を指した。
「澪何してんの!そんなのダメじゃん!」
だが全く気にしていない様子の澪は平静だった。
「いーの。私はこれが好きなの」
それに、澪は他にも気になるケーキなどを持っていた。気にしないと決めた澪は、カレーを頬張った。
5人でいる時間はあっという間に過ぎて、日が傾き始めた。でも、彼女たちの時間はここからだった。
「イルミネーション行こ!」
幸菜が言い出し、みんながスマホで近くの場所を探し始める。良さそうな場所を見つけた澪は、「ここならどう?」とみんなに見せ、そこにしようと向かった。
しかし、なかなか見つからず、澪は一人焦っていた。誰一人としてそんな澪を助けようとはせず、ただついて行くだけだった。言い出した幸菜は業を煮やしたのか、遂に、澪に一言言った。
「ちょっと澪!ちゃんと調べてよ!」
軽く言った一言なのかもしれない。だが、澪はそんなことも考える余裕が無かった。誰のためにこんなに必死になっているのか。確かに着いて来てくれた彼女たちも歩き疲れたのかもしれない。しかし、澪の後で楽しく雑談していただけではないのか。そんな気持ちを押し殺し、澪は「ごめんね。もう近くだから」と笑顔を見せた。
ようやく着くと、澪を置いて、4人はスマホ片手に写真を撮り始めた。
「皐月、写真撮ろ!」
幸菜は澪にお礼を言うことはなく、そう皆で写真を撮り始めた。各各とツーショットを撮っていく中、とうとう澪の番かと思われたが、「疲れた〜」と言ってしゃがみ込むだけだった。
澪はその日、ただ皆の前でスマホ片手に道案内していただけだった。