星まで届く声
そんなおばあちゃんに異変が起きたのは、私が小学校3年になって妹のりおが産まれてからだった。


「あんばぁ!りおをどこさ連れてく気だぁ?」

お母さんがおばあちゃんに怒鳴りつけた。

「いやぁ。そろそろしのと家に帰ってまんまつくらなきゃいけねぇべ」

……?

私の頭の中が『?』になった。

「あんばぁ。これは、しのじゃない!りおだぁ。

あんばぁの家は、ここだべ?」

またしばらくすると赤ん坊の妹をおんぶして

「さっ。しの。家さ帰ろう。」

と言い出した。

明らかにおばあちゃんの様子が変になっていた。

< 16 / 29 >

この作品をシェア

pagetop