星まで届く声
そのうちに足腰が弱くなった。

あいかわらず変なことを毎日…
いや。1分ごとにいっていた。
そのうちにやけくそになった私達は、外へ出ようと立ったおばあちゃんを力一杯押し倒すようになった。

おばぁちゃんは、本当にダルマのように転がってそのたびに

「みんなしてオレばぁ〜っかりバカにして!」

と泣いていた。

その姿を見るのが一番辛かった。
でもどうすることもできなかったんだ…

お母さんが口を開いた。

「いつもりおをしのって呼ぶでしょ?
しのって赤ん坊で死んでしまったおばあちゃんの妹なんだって…
おばあちゃんと一緒にいるときに死んじゃったから
今でも自分が悪かったって思ってるんだろうね
ボケると昔の記憶しかなくなるんだって…」


それを聞いて私は、おばあちゃんの中からいなくなるんだと思った。

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