星まで届く声
「え〜と。次が栗原。心に羽ねで何て読むんだ?」

私のことだ。たいていみんな読めなくて説明する。

「はい。心に羽ねで『ここは』って読みます。栗原心羽です」

「『ここは』ね。了解。んじゃ次が………」

先生が初めてのクラスの点呼をしている。
先生は、山野先生って言うみたいでイカツイ顔してる。

あんまり目をつけられたくないなぁ。。


クラスの雰囲気は、県の中でも下から二番目とあって男も女もイカツイ奴らが多い。

私も中学までは、問題を起こしたことあったけど…

『とりあえずおとなしく』を心に決めた。

はぶられないように……

チャイムが鳴ると教室に「やっと終わった〜」とか「かったりぃ〜」とかさまざまな声が飛び交った。


「明日は、部活動見学だからなぁ〜入らなくてもいいし決めておけよ〜」と先生が一言付け加えて教室を出ていった。


「心羽〜」

この声は、美智子だ。いつも『ミチ』って呼んでいる。
「どうしたの?」

「部活決めてる?」

「ん〜。とくに……」

私は、部活に入るつもりがなくてバイトをするつもりだった。

「よかった〜。じゃ一緒についてきてよ!」


よくわからなかったけどついていくことにした。

「暇だからいいよ〜」

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