星まで届く声
その押し潰されそうな空気の中

おばあちゃんの顔を見るのが正直こわかった。

係の人が

「帰るとき声をかけてね」
と言って部屋を出ていった。

おばあちゃんと部屋に二人きりになるとさらにこわくなってきて

きっと罪悪感からだったと思う。

勇気を出しておばあちゃんに近付いてみたら

ベットで眠るおばあちゃんは、息をしてるのかしていないのかわからないくらい小さな呼吸をしていて酸素マスクをつけていた。

おばあちゃんのベットの周りは、機械で囲まれていたけど。

おばあちゃんの寝顔は、遠い昔に一緒に寝たときの顔のように優しい顔をしていて。


その顔をみたらとても愛しく感じた。

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