星まで届く声
午後になってホームルームが終わったからミチとあの部室に向かうことにした。

昨日と変わらずとても汚い。

昨日と違うのは、入部したいという新入生が昨日よりたくさんいた。

ギターを触ってみたりドラムを照れくさそうに指で叩いたり…
物珍しそうにみんなの目が輝いていた。
やっぱり女子は、私とミチの二人しかいなかった。

するとミチが…
「ねぇ。あの子かっこよくない?」
と指差した。

確かに…鼻がスーっと通ってて目が少しキリッとしてる。小さい口から笑うと見える八重歯が可愛い感じだった。
彼は、マイクを握って歌うのか歌わないのか照れくさそうにしてこっちをみた。

『ただのナルシストじゃん』

そう思った私は、ミチに一言「え〜。そう?」と答えた。
ナルなんて嫌い。

確かにテレビに出れそうなくらいな顔だけど…
自分がモテるって自信がありそうな顔。
『嫌い』

ミチがさっそくそいつに名前を聞きに行って嬉しそうに帰ってきた。

「名前ね〜高野って言うんだって〜」

ミチは、嬉しそうにはなしてたけど私は、興味がなかった。

高野は、チラチラこっちのようすをうかがってた。

その自信がある態度が気にくわないからあだ名をつけてやった。

『たかべぇ』
って。
ミチも大笑いしていた。
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