色褪せて、着色して。~沈丁花編~
驚いて黙っていると。
すぐに、王妃の侍女が、ずいっと私の前に立った。
座った状態で彼女を見ると、物凄く背が高く見えた。
「ザーラ様、この女にそのような事を言ってはなりません」
ぴしゃりと注意する侍女に呆然としていたけど。
後ろにいたバニラが「このオンナ…」と呟いたので。
「やっべ」と慌ててバニラに「大丈夫だから」と口パクで伝える。
一瞬にして、その場の空気が地獄へと変わる。
バニラが何かしでかすのではないかと冷や汗が出る。
確かに侍女は失礼な態度を取っているが。
まだ、我慢の出来るレベルだ。
この中で唯一、この険悪なムードを理解していないのが王妃様だ。
「あら、どうして? この人はローズの親戚なだけでしょ。トラトラだって似てるって思ってるでしょう? さっきから何を怒っているの?」
トラトラと呼ばれる次女は目を真っ赤にして王妃を睨んでいる。
「ザーラ様にはふさわしい人を探すべきです!」
「ふさわしいも何も年の近い人がいないから、イバラさんに会っているんじゃない」
ぽかんと。
2人の言い争いを聞いているうちに。
ぞくっと悪寒が走った。
後ろに立っていたバニラが、ずいっと前に出た。
「雨が降ってきましたね」
バニラが言うと。
王妃と侍女が「雨?」と言って空を見た。
さっきまで晴れていたはずなのに空に雲が広がってポツポツと降ってきた。
「身体を冷やして風邪でもひいたら、大変ですわ」
王妃の侍女が悲鳴をあげるように片付けようと動き出す。
雨を降ったのを機にお茶会はお開きへの方向となった。
すぐに、王妃の侍女が、ずいっと私の前に立った。
座った状態で彼女を見ると、物凄く背が高く見えた。
「ザーラ様、この女にそのような事を言ってはなりません」
ぴしゃりと注意する侍女に呆然としていたけど。
後ろにいたバニラが「このオンナ…」と呟いたので。
「やっべ」と慌ててバニラに「大丈夫だから」と口パクで伝える。
一瞬にして、その場の空気が地獄へと変わる。
バニラが何かしでかすのではないかと冷や汗が出る。
確かに侍女は失礼な態度を取っているが。
まだ、我慢の出来るレベルだ。
この中で唯一、この険悪なムードを理解していないのが王妃様だ。
「あら、どうして? この人はローズの親戚なだけでしょ。トラトラだって似てるって思ってるでしょう? さっきから何を怒っているの?」
トラトラと呼ばれる次女は目を真っ赤にして王妃を睨んでいる。
「ザーラ様にはふさわしい人を探すべきです!」
「ふさわしいも何も年の近い人がいないから、イバラさんに会っているんじゃない」
ぽかんと。
2人の言い争いを聞いているうちに。
ぞくっと悪寒が走った。
後ろに立っていたバニラが、ずいっと前に出た。
「雨が降ってきましたね」
バニラが言うと。
王妃と侍女が「雨?」と言って空を見た。
さっきまで晴れていたはずなのに空に雲が広がってポツポツと降ってきた。
「身体を冷やして風邪でもひいたら、大変ですわ」
王妃の侍女が悲鳴をあげるように片付けようと動き出す。
雨を降ったのを機にお茶会はお開きへの方向となった。