色褪せて、着色して。~沈丁花編~
王妃とのお茶会から一週間が経った。
ご近所付き合いの広いバニラは、情報を集めたところ。
王妃は、ザーラ様…という呼び名だそうで。
あの生意気な侍女はトラトラと言って。
ザーラ様が誘拐された際に一緒に付いてきた侍女だという。
知り合いのいないティルレット王国にいきなり連れてこられて。
王妃として、宮殿で生活するというのは過酷ではないかと。
王妃に同情する人が多数だそうだけれど。
バニラ曰く、「ザーラ王妃は大丈夫ですわ」と妖精の勘で言った。
私もバニラの言うことは賛成だ。
彼女は生まれ持っての王妃としての器があると思う。
童話「シンデレラ」ではシンデレラが最後、王子様と結婚してめでたしめでたしで終わるけど。
実際のところ、シンデレラは慣れない王室での生活に耐えられたのか? というのを疑問に思う人がいる。
庶民が急に貴族のところへ嫁いでも。
礼儀や教養がなければ、一瞬でそこは地獄になるのではないだろうか。
頭が良ければ付いていけたのかもしれない。
もしくは、相当なるポジティブ思考だったらいいだろう。
愛だけじゃ、上手くいかない。
それが、悲しいことに現実なのだから。
夢見る少女時代を、すぐにぶち破ったのは小学校に入ってすぐだと思う。
それなりに元貴族としてのマナーを学んできたつもりだけれど。
上には上がいるってことを同級生と触れ合って知った。
生まれたときから、お姫様として育ったザーラ王妃は。
きちんとした教養、マナーを持っている。
そういえば、ザーラ王妃は12人兄弟だそうで。
年上にも年下との接し方もよくわかっていらっしゃるとか。
トレードマークというか…会った時に「おや?」と思った太い眉毛や髪の毛は。
結婚するまで身体に剃刀を入れてはいけない…という王国独自のルールがあるそうで。
王妃は生まれてから一度も髪を切ったことがないそうだ。
「さぞかし、ご入浴は大変でしょうね」
と、変なところでバニラが同情をしている。
「ま、でも結婚したから切るんでしょう?」
とバニラに言った。
ザーラ王妃の侍女であるトラトラは。
バニラが言うには「尖っている」らしい。
相談できる人もいなければ、いきなり異国に来てしまったわけで。
精神的にも荒ぶっている様子で。
感情をすべて私にぶつけているんじゃないかと、怒るようにバニラが言った。
ご近所付き合いの広いバニラは、情報を集めたところ。
王妃は、ザーラ様…という呼び名だそうで。
あの生意気な侍女はトラトラと言って。
ザーラ様が誘拐された際に一緒に付いてきた侍女だという。
知り合いのいないティルレット王国にいきなり連れてこられて。
王妃として、宮殿で生活するというのは過酷ではないかと。
王妃に同情する人が多数だそうだけれど。
バニラ曰く、「ザーラ王妃は大丈夫ですわ」と妖精の勘で言った。
私もバニラの言うことは賛成だ。
彼女は生まれ持っての王妃としての器があると思う。
童話「シンデレラ」ではシンデレラが最後、王子様と結婚してめでたしめでたしで終わるけど。
実際のところ、シンデレラは慣れない王室での生活に耐えられたのか? というのを疑問に思う人がいる。
庶民が急に貴族のところへ嫁いでも。
礼儀や教養がなければ、一瞬でそこは地獄になるのではないだろうか。
頭が良ければ付いていけたのかもしれない。
もしくは、相当なるポジティブ思考だったらいいだろう。
愛だけじゃ、上手くいかない。
それが、悲しいことに現実なのだから。
夢見る少女時代を、すぐにぶち破ったのは小学校に入ってすぐだと思う。
それなりに元貴族としてのマナーを学んできたつもりだけれど。
上には上がいるってことを同級生と触れ合って知った。
生まれたときから、お姫様として育ったザーラ王妃は。
きちんとした教養、マナーを持っている。
そういえば、ザーラ王妃は12人兄弟だそうで。
年上にも年下との接し方もよくわかっていらっしゃるとか。
トレードマークというか…会った時に「おや?」と思った太い眉毛や髪の毛は。
結婚するまで身体に剃刀を入れてはいけない…という王国独自のルールがあるそうで。
王妃は生まれてから一度も髪を切ったことがないそうだ。
「さぞかし、ご入浴は大変でしょうね」
と、変なところでバニラが同情をしている。
「ま、でも結婚したから切るんでしょう?」
とバニラに言った。
ザーラ王妃の侍女であるトラトラは。
バニラが言うには「尖っている」らしい。
相談できる人もいなければ、いきなり異国に来てしまったわけで。
精神的にも荒ぶっている様子で。
感情をすべて私にぶつけているんじゃないかと、怒るようにバニラが言った。