色褪せて、着色して。~沈丁花編~
初めて会った時。
ローズ様を国王だとは思わなかった。
だからだろうか、頭の中で。
近い存在だと思ってしまっていた。
今、何よりもショックなのは。
国王としてのローズ様を見てしまったことだ。
出来ることなら。
もう二度と会いたくなかった。
複雑な感情が渦巻く中で。
あの人は国王としての立場を一番に考えて。
動いただけなのに。
利用されるという立場に。
心の中は土砂降りだった。
貴女を守るため。
国王は、私と母親を重ねて。
あえて厳しくすることで。
私を王室から切り離そうとしている。
わかる。
わかってはいる。
頭ではね…。
クリス様とファスト様が段取りについて説明してくれたけど。
全然、頭に入らなかった。
切り替えが出来ない。
怒鳴り散らして。
「バーカ、バーカ。誰が言う通りにするか」と言って暴れたら。
どんなにすっきりするだろうか。
爆発しそうになった感情が。
急に冷めていった時。
私は一番大事な人物を思い出した。
「あの」
人通りの説明を終えたファスト様に。
小さく手を上げる。
「夫は、このことをご存知なんですよね?」
さっきの謁見の間に太陽様の姿はなかった。
見つけられなかっただけかもしれない。
クリス様とファスト様は顔を見合わせると。
「……」
お互い困った表情をした。
なんで、困った表情をするんだろうか。
「太陽は、今。遠征に出ていて。この囮作戦は知っていないはずだ」
「誰かがチクったりしない限りね」
と、ハハッとファスト様が鼻で笑った。
ローズ様を国王だとは思わなかった。
だからだろうか、頭の中で。
近い存在だと思ってしまっていた。
今、何よりもショックなのは。
国王としてのローズ様を見てしまったことだ。
出来ることなら。
もう二度と会いたくなかった。
複雑な感情が渦巻く中で。
あの人は国王としての立場を一番に考えて。
動いただけなのに。
利用されるという立場に。
心の中は土砂降りだった。
貴女を守るため。
国王は、私と母親を重ねて。
あえて厳しくすることで。
私を王室から切り離そうとしている。
わかる。
わかってはいる。
頭ではね…。
クリス様とファスト様が段取りについて説明してくれたけど。
全然、頭に入らなかった。
切り替えが出来ない。
怒鳴り散らして。
「バーカ、バーカ。誰が言う通りにするか」と言って暴れたら。
どんなにすっきりするだろうか。
爆発しそうになった感情が。
急に冷めていった時。
私は一番大事な人物を思い出した。
「あの」
人通りの説明を終えたファスト様に。
小さく手を上げる。
「夫は、このことをご存知なんですよね?」
さっきの謁見の間に太陽様の姿はなかった。
見つけられなかっただけかもしれない。
クリス様とファスト様は顔を見合わせると。
「……」
お互い困った表情をした。
なんで、困った表情をするんだろうか。
「太陽は、今。遠征に出ていて。この囮作戦は知っていないはずだ」
「誰かがチクったりしない限りね」
と、ハハッとファスト様が鼻で笑った。