暴君御曹司のお気に入り
水族館デート
「もうこんな時間か、、」
午前11時過ぎに起きて、朝ごはんを食べ終わった頃にはもう準備を始めないと間に合わない時間になっていた。
「水族館って、、、どんな服装がいいんだろう、、」
クローゼットを眺めながらそう呟く。
しかし私は生憎動きやすい服しか持っていないため、どんなに探してもデート向けのものは見つからないだろう。
「まあ、デートって言っても付き合ってないし綾川だし、、、」
少し悩んだ後、結局お気に入りのTシャツとジーパンを選んだ。
髪も適当にセットして慌てて家をでる。
待ち合わせ場所の駅に着いたとき、既に時刻は約束の5分前だった。
なんとか時間より前に着いたことにほっとし、綾川の姿を探して周りを見渡す。
すると、すぐ近くで女子の大群が目に入った。
その中心にいたのは、、、
「あ、綾川、、、?」
何やら高そうな腕時計をちらちらとに頻繁に見ている綾川が大量の女子に囲まれていたのだ。
その右手がハエを追い払うような仕草をしている。
サングラスと帽子で変装らしきものをしていたが、そのオーラを全く隠しきれていないことに、私でも気がついた。
「ねえ、あの人かっこよくない、、、?声掛けちゃう?」
「でもなんか女の人追い払ってない?」
「気のせいよ、虫でも追い払ってるんじゃない?あんなイケメンがそんなことするはずないし」
「そうよね!あんなにイケメンなら心も澄んでいるに違いないわ!」
私のすぐ隣にいた2人組の女子が綾川を指差して黄色い声ではしゃいでいる。
狭い道でぶつかっただけで逆ギレして他人のハーゲン〇ッツを踏み潰すような人ですよとはとても言えない。
彼女たちはまるで芸能人を見るかのような瞳で綾川を見つめ、ソワソワしていた。
そして当の私は女子の渦の中に入る勇気が出ず、近くでウロウロしながら綾川が顔を上げてくれるのを待つ。
あの中に入ったら彼女たちから殺されてしまうかもしれない。
しかしいつまでもグズグズしてはいられないため、LI〇Eをして場所を変更してもらおうとしたその時、
「あ!紬!!!」
私の姿を目敏く見つけた綾川が、サングラス越しでも分かるほどの満面の笑みでこちらを見た。
綾川をうっとりと見つめていた女性たちが一斉に振り向き、その視線が鋭く私を捉える。それも、敵意を添えて、、。
「遅かったな!!」
そんなことを言いながらこちらに歩み寄ってくる彼を、ただ苦笑いしかできずに見つめる。
もう帰りたい。
堪らなくなり、私は綾川の腕を掴んでその場を後にしようとする。
去る際に女性たちの「え、もしかして彼女、、?」「まさか、、、」という声が聞こえたが、気にしないことにした。
午前11時過ぎに起きて、朝ごはんを食べ終わった頃にはもう準備を始めないと間に合わない時間になっていた。
「水族館って、、、どんな服装がいいんだろう、、」
クローゼットを眺めながらそう呟く。
しかし私は生憎動きやすい服しか持っていないため、どんなに探してもデート向けのものは見つからないだろう。
「まあ、デートって言っても付き合ってないし綾川だし、、、」
少し悩んだ後、結局お気に入りのTシャツとジーパンを選んだ。
髪も適当にセットして慌てて家をでる。
待ち合わせ場所の駅に着いたとき、既に時刻は約束の5分前だった。
なんとか時間より前に着いたことにほっとし、綾川の姿を探して周りを見渡す。
すると、すぐ近くで女子の大群が目に入った。
その中心にいたのは、、、
「あ、綾川、、、?」
何やら高そうな腕時計をちらちらとに頻繁に見ている綾川が大量の女子に囲まれていたのだ。
その右手がハエを追い払うような仕草をしている。
サングラスと帽子で変装らしきものをしていたが、そのオーラを全く隠しきれていないことに、私でも気がついた。
「ねえ、あの人かっこよくない、、、?声掛けちゃう?」
「でもなんか女の人追い払ってない?」
「気のせいよ、虫でも追い払ってるんじゃない?あんなイケメンがそんなことするはずないし」
「そうよね!あんなにイケメンなら心も澄んでいるに違いないわ!」
私のすぐ隣にいた2人組の女子が綾川を指差して黄色い声ではしゃいでいる。
狭い道でぶつかっただけで逆ギレして他人のハーゲン〇ッツを踏み潰すような人ですよとはとても言えない。
彼女たちはまるで芸能人を見るかのような瞳で綾川を見つめ、ソワソワしていた。
そして当の私は女子の渦の中に入る勇気が出ず、近くでウロウロしながら綾川が顔を上げてくれるのを待つ。
あの中に入ったら彼女たちから殺されてしまうかもしれない。
しかしいつまでもグズグズしてはいられないため、LI〇Eをして場所を変更してもらおうとしたその時、
「あ!紬!!!」
私の姿を目敏く見つけた綾川が、サングラス越しでも分かるほどの満面の笑みでこちらを見た。
綾川をうっとりと見つめていた女性たちが一斉に振り向き、その視線が鋭く私を捉える。それも、敵意を添えて、、。
「遅かったな!!」
そんなことを言いながらこちらに歩み寄ってくる彼を、ただ苦笑いしかできずに見つめる。
もう帰りたい。
堪らなくなり、私は綾川の腕を掴んでその場を後にしようとする。
去る際に女性たちの「え、もしかして彼女、、?」「まさか、、、」という声が聞こえたが、気にしないことにした。