暴君御曹司のお気に入り
最悪の出会い_湊side
《湊side》
その日、四六時中俺の側に着いているボディーガードたちの隙をついて逃げ出した俺は、かつてない解放感に晒されていた。
「俺のすることなすこと全て監視しているあいつらがいないと、こんなにも自由なんだな」
そんなことを呟いて街中を歩く。
ボディーガードがいなくても、皆俺のことを知っているのか、それともこの身なりを見て判断しているのか、街の奴らは俺が近づくとすぐに道を開けた。
「あ、あのぅ、、、綾川 湊様、、ですよね?財閥の御曹司の、、」
突然話しかけてきたのは全く知らない女だった。
俺に媚を売ってくるような目、この目を俺は小さい頃から何度も見てきた。
「あ?だったら何だよ。金でも欲しいのか?」
普段ならこんな女、俺に話しかける前にボディーガードに捕まえられるのだが、今日はそうはいかないので鋭く睨みつけた。
「そ、そんなんじゃなくて、ただ、かっこいいなぁって、、、」
そんな何万回も聞いたような言葉を紡ぎ始める女を見て思わず溜息が出た。
「んなこと知ってるわ。さっさと失せろ」
俺と話せたことに満足したのか、女はそれ以上何も言ってはこなかった。
背を向けると、パシャリと写真を撮る音が聞こえた。
SNSに上げるのか、友達に自慢するのか。何にせよものすごく不快だったが、これ以上その女の近くにいることの方が不愉快だと思ったため、何も言わずにその場を去った。
やはり、ボディーガードのいない時は人通りの多いところにはいない方がいいと悟った俺は、比較的人が少ない通りに入った。
その日、四六時中俺の側に着いているボディーガードたちの隙をついて逃げ出した俺は、かつてない解放感に晒されていた。
「俺のすることなすこと全て監視しているあいつらがいないと、こんなにも自由なんだな」
そんなことを呟いて街中を歩く。
ボディーガードがいなくても、皆俺のことを知っているのか、それともこの身なりを見て判断しているのか、街の奴らは俺が近づくとすぐに道を開けた。
「あ、あのぅ、、、綾川 湊様、、ですよね?財閥の御曹司の、、」
突然話しかけてきたのは全く知らない女だった。
俺に媚を売ってくるような目、この目を俺は小さい頃から何度も見てきた。
「あ?だったら何だよ。金でも欲しいのか?」
普段ならこんな女、俺に話しかける前にボディーガードに捕まえられるのだが、今日はそうはいかないので鋭く睨みつけた。
「そ、そんなんじゃなくて、ただ、かっこいいなぁって、、、」
そんな何万回も聞いたような言葉を紡ぎ始める女を見て思わず溜息が出た。
「んなこと知ってるわ。さっさと失せろ」
俺と話せたことに満足したのか、女はそれ以上何も言ってはこなかった。
背を向けると、パシャリと写真を撮る音が聞こえた。
SNSに上げるのか、友達に自慢するのか。何にせよものすごく不快だったが、これ以上その女の近くにいることの方が不愉快だと思ったため、何も言わずにその場を去った。
やはり、ボディーガードのいない時は人通りの多いところにはいない方がいいと悟った俺は、比較的人が少ない通りに入った。