暴君御曹司のお気に入り
その後、「例の件って何だよ」としつこく問いただしてくる綾川をあしらいつつ、パーティーの終わりまで2人で料理を楽しんだ。

綾川に駆け寄ってくる女の子から逃げ回りながら、ふと視線を感じて振り返ると、トイレで話したあのピンク色のドレスを着た令嬢が冷たい目で私たちを見ていることに気づいた。

目が合うと、スっと逸らされる。

腹立つ気持ちが半分と、少し怖い気持ちが半分だったが、美味しい料理でお腹を満たしていくうちに彼女のことはすっかり頭から抜け落ち、私は上機嫌のままパーティーの終わりを迎えた。
< 53 / 108 >

この作品をシェア

pagetop