暴君御曹司のお気に入り
恐る恐るその物体を取り出してみる。

「、、、アイス!?」 

必死に頭をフル回転させる。

緊張しすぎて何も考えずに歩いていたけれど、、、そういえばトイレに来る途中、エントランスでウェルカムアイスのプレゼントを貰ったんだっけ、、、?

何にしても溶けてベットリになっていなくて良かった。

この一張羅を汚されてしまった日には、私の晴れ着はどこかの店で買ったポンチョ1枚だけになってしまう。

「この場で食べて頭冷やすか、?」

せっかくだしなぁとそのアイスをまじまじと眺めていた私は、前から歩いて来る人の存在に全く気付いていなかった。

そしてそのまま

「うぎゃぁっ!」

「うおっ!!」

ぶつかってしまった。
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