麗しの狂者たち【改稿版】
それから午後の授業も終わり、部活に行く準備をする生徒達の中で、私は黙々と帰り支度をして教室を後にする。
生徒会役員でも一応部活動は出来るけど、会長と副会長は特に忙しいので、私と亜陽君はどこにも所属していない。
他にも大学みたいにサークル活動があるので時たま勧誘を受けるけど、私は私でお花だったりお茶だったり、お料理教室だったりと。家での花嫁修行が盛り沢山なので丁重にお断りをしている。
とりあえず、組んでいた予定がなくなってしまったので、今日は久しぶりに図書室で勉強することに決めた私は、エレベーターに乗って最上階へと向かった。
うちの図書室は我が校でも自慢の設備であり、壁一面にはガラス張りが施され、最上階だけに見晴らしがとても良い。
勉強机も一つ一つに仕切りがあり、充電まで出来る上に、休憩スペースのソファーが設置されたり、観葉植物が置いてあったりと。
まるで、小洒落たカフェみたいな雰囲気で、私は入学当初からこの場所がお気に入りだった。