麗しの狂者たち【改稿版】
そのせいだろうか。
美月が九条と一緒に居るところを見た途端、妙に腹が立ち、掻き乱したくなって、気付いたらあいつにキスをしていた。
あの時だってそうだ。
九条に美月との仲を見せ付けられて、気に食わないならさっさと帰れば良かったのに。
何故かそれだけじゃ気が済まなくなって、あいつから奪ってやろうと思った。
……なんだろう。
この不可解な衝動は。
もっと客観的に見ていたはずなのに。
何でこんなにもムキになっているのか、自分でもよく分からない。