麗しの狂者たち【改稿版】
「倉科副会長も行きたい大学見つかりました?」
すると、すかさず無邪気に尋ねてきた渚ちゃんの質問が、追い討ちで心にグサリと突き刺さる。
「あ……。えっと、私はMARCHのどれかを考えてるかな」
「すげーな。流石、生徒会副会長」
「はい!いつだって美月先輩は完璧なんですっ!」
それから、ぎこちなく答えると、またもや渚ちゃんの熱いトークが始まり、私は益々身を縮こませてしまった。
これまでは、胸を張って答えられたのに。
亜陽君と同じ大学に行くという目標を、誇りに感じていたのに。
八神君の話を聞いてから、それが如何に薄っぺらいものであることを思い知らされ、これ以上多くを語ることが出来ず、私は苦笑いを浮かべる。