麗しの狂者たち【改稿版】
結局、自分の主張は誰にも受け入れられず、何も進歩がないまま今日一日が終わろうとする。
それもこれも、全部中途半端に挑んだことで招いた結果なんだと。
先程父親に言われた言葉を思い出し、自然と肩が下がる。
私も八神君みたいに、しっかりとした目標があれば。
将来を見据えて何か行動をしようとしていれば、状況は変わっていたかもしれない。
やっぱり、八神君は凄い。
そんな彼に私も少しでいいから追い付きたい。
そう願っていても、このしがらみから抜け出せない以上、私はこれから彼に触れることすら出来なくなるのだろうか。
……嫌だ。
そんな人生は絶対に嫌。
私は明日も明後日もその先もずっと彼の隣にいたい。
「……会いたいな……」
沸き起こる絶望に飲み込まれないよう、彼のことを思い浮かべていると、つい欲が外に漏れ出てしまう。
明日は学校に来てくれるだろうか。
ここ最近は頻繁に登校していたけど、気まぐれな彼だからどうなるか分からない。
冷静に考えれば可笑しな話だけど、そんな自由な人を愛してしまった以上仕方がないと。
諦めの境地に達した私は、ベットに転がったスマホを手に取り、一言だけメッセージを送った。