麗しの狂者たち【改稿版】
俺は昔から決められることが大嫌いだ。
人に命令されること、主体性を奪われるもの。
自分の行動を制約されるものは全て。
そして、それは側から見ているだけでも虫唾が走る。
だから、壊したい。
その標的となったのが倉科美月。
別に恨みがあるからっていうわけじゃない。
あいつを弄ることが一番面白そうだから。
絵に描いたような優等生が崩れたら一体どうなるのか、興味が湧いてきたから。
この退屈で死にそうになる学校生活での、唯一の刺激的存在。
ただ、それだけ。
それがいかに狂ってるかは自覚してる。
けど、あいつも何だかんだ俺を受け入れるから、余計滑稽に思えてくる。
結局は、どいつもこいつも皆一緒。
ただ、他の女よりも抵抗感が強くて、ギャップ差を楽しめるから、弄っているだけ。
飽きたら、それまで。
俺の欲求を一時的に満たせてくれれば、それでいい。