麗しの狂者たち【改稿版】


もはや、俺の非行を咎める奴なんて、この校内ではほぼいない。


二年に入り、これまでSHRなんて一回も出たことなかったけど、それを指摘された事は未だない。

担任は、はなから諦めている様子だし、学年指導の奴らも見てみぬふりをしている。

おそらく、この学校には俺程の荒れている生徒を指導出来る人間がいないのかもしれない。


ここは、“優秀”と言う名の親に懐柔された人間しか集まらないから、非行少年の扱いに慣れていないのだと思う。

そもそも、そんな人間がここにいること自体、異常なのかもしれないけど。

だから、誰も俺に深く関わろうとはしない。

加えて、成績は上位をキープしてるし、八神グループの地位はこの校内でもトップに位置するから余計だ。


程度が酷いと、稀に親に連絡を入れるらしいけど、それも数あるうちのほんの一握り。


お陰で、他の生徒よりもかなり自由に動けるから、好都合でいいんだけど……。
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