麗しの狂者たち【改稿版】
◇◇◇




__翌日。




「へえー、結構中広いんだね」


早速昨日の夜にメッセージを送ったら、丁度タイミングが合い、久々の放課後デートに私は浮き足立ちながら店内を見渡す。


流石、先生のお弟子さんというだけあり、中は和を基調とした季節感漂う花が所かしこに飾られ、店内は秋色で統一されていた。

どうやらこのお花達は毎日変わるらしく、インスタには沢山の作品がアップされていて、私も参考にしようとこっそり写真を撮る。


「あ、美月。丁度窓際のカウンター席の端空いてるよ」

そして、しばらく撮影に夢中になっていると、良い席を見つけてくれた亜陽君は、私の手を引いて、店内の奥へと進んで行く。


その道すがら、ちくちくと刺さる周囲の視線。


それもそのはず。

だって、店内のお客さんは、殆どがうちの生徒達だから。


先生の言った通り、お店の場所は学校の目と鼻の先。

だから、放課後の溜まり場として利用している人もいれば、図書館代わりとして勉強している人も居たりと。

そんな中で、私達の存在はとても目立つようで。
公認カップルとして、興味津々な目を向けられていることに、段々と恥ずかしさが込み上がってくる。
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