麗しの狂者たち【改稿版】
それから、また暫くして何気ない会話で盛り上がっていると、ようやく飲み物とスイーツが到着し、それを受け取ろうと背後を振り向いた矢先。
「…………え?」
突如視界に映った、同じ制服を着たある男子と女子の二人組。
そして、今この場で一番会いたくない人達。
私は何故二人がここにいるのか状況がすぐに飲み込めず、蛇に睨まれた蛙の如く。目を大きく見開いて、その場で暫く固まってしまった。
「なんだ。あんたらも来てたんだ」
しかし、激しく動揺する私とは裏腹に、平然とした様子で私達を見下ろしてくる八神君。
「ふふ、奇遇ですね。せっかくだから、お隣に座ってもいいかしら?」
そして、その横では八神君の腕に絡まりながら、嬉しそうな表情で私を一瞥してきた白浜さん。
「どうぞ。ご遠慮なく」
それから、突然水を差されたにも関わらず、何処か楽しげな様子で席を促す亜陽君。
その中で、一人置いてけぼりを食らっている私。