先輩と後輩の関係。
12-
私は今までの我慢がなんだったんだと思うくらい何も考えず、『来て』とLINEをした。
返信が来たのは夕方。
「仕事中」
という冷たい内容だったけど…そのLINEを見ると安心して眠りについたらしい。
家のチャイムが鳴って起床した。
まだ頭痛はあったけど、寝る前ほどではない。
モニターを見ると舜くんが立っていた。
私はいつもの倍時間をかけて鍵を開けに行った。
無言で部屋に戻り、ベッドに座っていると「死んでるかと思った」と言われた。
いつもなら、一緒にベッドに座って馴れ馴れしくしてくるのに…今日は立ったままの舜くん。
風邪を引いているからっていうのもあるけど…
なんだか、距離を感じた瞬間でもあった。
『死んでないけど、死にそう』
「何か食べた?」
『…食べてないけど、食欲ないから』
「熱測った?」
『体温計ないの…』
と、言うと…
何も言わず、私のところへ来ておでこを触り始めた。
私は精一杯の力を振り絞って、手の伸ばすと届く位置にいる舜くんに抱きついた。
『会いたかったの』
舜くんと目が合った瞬間、今まで我慢していた気持ちが溢れて泣いてしまった。
「なんで泣く?」
『…会いたかったの』
「こんだけで泣くな」
『なんで、そんな事言うの』