先輩と後輩の関係。
『ひろくんは毎回彼女に会うんですか?』
「期間が長いと会うけど…」
『今後ともよろしくお願いします』
そう言って挨拶するとお辞儀をして「こちらこそ」と笑ってくれたひろくん。
隣にいた舜くんは呑気にお酒を飲んでいた。
この落ち着いた感じがなんとも言えない安心感だった。
時間が経つにつれて、ひろくんから「凛」と呼ばれるようになり…ひろくんも呼び捨てで呼んでって言うから私も「ひろ」と呼んでたら舜くんが珍しく…
「俺のことはくん呼びなのに何でひろは呼び捨てなん?どういう基準?」
『先輩だったから…』
「後輩に手出したんだから仕方ないよな」
「引っかかったお前もお前だけどな」
『言い方!』
「俺の前で喧嘩はやめて〜帰ろうか?俺」
「別に喧嘩してないから」
『むかつく』
全ては言い方で変わる…
私の中では全然喧嘩してるんですけど!
引っかかったって何?
引っかけるためにああいうことをしてたってことなの?
ウザすぎるんだけど…
舜くんを好きになったのを後悔した。
ほんとなら『もういい、さようなら』と言って帰りたいくらいだったけど…もう終電がない時間だから諦めるしかなくて、
でも、この場にいたら絶対喧嘩になると思って…
舜くんとひろくんの場を離れて、寝室に移動してきた。