先輩と後輩の関係。
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仕事中は手が届きそうなところに立っている時もあれば、背中しか見えない時もあるけど…自分の視界に入っているだけで安心する存在。
誰にも負けないくらい大好きな事を再認識する。
それは、胸を張って言いたいと思う。
帰り際に「こっちきて」と柚香に呼び出され、手を引っ張られた。
『なになに』
「黙ってついてきて」
そう言う男前な柚香。
お店を出て、颯爽と連れて行かれたのはカフェ。
龍生と3人だと来ないようなお洒落な雰囲気のカフェで、見た目から新鮮な気分だった。
聞かれることは何となくわかっていたけど、自分からは触れることなく逆に避けていたかもしれない。
けど、柚香がスルーするわけがなくて…
「何があった?」と、真正面から質問されてしまった。
『ん〜何もないけど』
「何もないなら、何もないように振り撒いなよ。私、そんな頼りない?」
『ありすぎるよ』
「いつでも私は凛の味方だよ」
『ありがとう』
「最近の凛、顔がやばいよ」
『何でこんなうまくいないのかな』
柚香に隠し事をしても無駄だし、正直に話そうと思い…私が怒っていること、私が思っていることを話した。