先輩と後輩の関係。





舜くんと一緒にいると本当に時間はあっという間で、面会終了時間になってしまった。





「面会は終了しました、速やかにお帰りいただきます様ご協力お願いいたします」


と、

病院内にアナウンスがされ始めた。





これは帰れっていうことだよね?



寂しい。

せっかく会えたのに…もう別れなきゃいけないの。




それに、面会終了時間が19:00なら仕事の日は会えないということを意味していた。






『凛がお休みの日しか会えないみたい』

「次、会えるの楽しみにしてる」






どうしても涙が堪えきれなくて、舜くんの胸に顔を埋めた。




舜くんは私の背中をポンポンと優しく叩いて…

抱きしめてくれたけど、明らかに力が弱くて、切なかった。




更に泣けるこの感じ…




これから色々なことを乗り越えなきゃいけないのに…

こんな事で泣いてたらこの先どうするつもりなんだろう。






「俺も頑張るから」

『うん、凛も頑張る』








嫌々ながらも繋いでいた手を離して私は病院を出た。



目が赤くなってしまって、電車に乗れる顔じゃなかったから…病院の外のベンチに座った。




なかなか、ツラい。

これを何度繰り返したら舜くんと笑って会えるんだろう。








そんな事を考えていると柚香から着信が入った。







「先輩と会えたー?」

『会えたよ』

「今どこ?帰ってる途中?」

『病院の外』

「待ってて」




と、言って突然電話が切れた。




え、これから来てくれるってこと?

最近は、柚香にお世話になりっぱなしで頭が上がらないんだが…






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