先輩と後輩の関係。
20.
あれから4日ほど立った今日は美容院の定休日。
朝起きて早々、『行ってもいい?』とLINEすると「おいで」と来たから早速病院に向かった。
私も行ってもいい?と聞いたものの、会わない選択肢はなくて…もう行く準備は完璧です。
病院に行った早々、面会受付をして舜くんの部屋に向かうと『いないんだけど…』。
トイレかな?
一昨日から始まったらしいリハビリかな…
来いと言ったものの、いないなんてどういうつもりなんだろう。
ベッド横にある椅子に座って大人しく待っていた。
待ちくたびれた頃に帰ってきた舜くん。
看護師さんに車椅子を押してもらっていて、優雅だった。
『おかえり、どこ行ってたの?』
「リハビリ」
『痛かった?』
「死ぬ」
車椅子からベッドには自分で戻ってたけど、一つ一つの動作が痛いらしくて大変そうだった。
ベッドに座った舜くんは「疲れた」と呟いた。
表情が暗くて、なかなか近寄りがたい感じに見えた。
『体調はどう?』
「良くもないし、悪くもない感じ。凛は?」
『同じく』
「今、ちょうど忙しい?」
『まぁまぁ?舜くんのアシスタントついてた時は忙しい時期だったよね。』
「そうだな」
『仕事したい?』
「うん」
『また復帰したら忙しくなるから今はゆっくり休もう』
「うん、」
やっぱり、ここにいると色々考えちゃうのかな。
私は、そんな舜くんを抱きしめることしかできなかった。
『頼りない彼女でごめん』
「意外と頼ってるから大丈夫」
舜くんに腕を引っ張られて自然にベッドに座った。
距離が近くて、久しぶりにドキドキするこの感覚。
そのままキスされた。
「早く退院したい」
『私も心待ちにしてる』
「なんか、凛がすげぇ大人に見える」
『そう?もともと大人だけど』
と、
言うと舜くんは笑っていた。
笑顔の舜くんが愛おしくて、私からもキスをした。