先輩と後輩の関係。




少しずつ自分にも余裕が出てきたなと実感してきた頃に最悪な報告を耳にした。





「橘がやめる」ということだった。

たまたま受付で話していた先輩同士の会話が聞こえてしまった。





聞く気はなかった。…むしろ聞きたくなかった。






『え』



もう私は赤の他人だから舜くんから聞くことはないだろうし、もしかしたら報告もされないまま姿を消す可能性もある。




色々考えれば考えるほど頭が真っ白になっていく。




私が原因だろうか…

それとも、事故の後遺症が残ってしまったんだろうか。




どっちにしろ私が原因だよね。

私と付き合ってなければ事故にも合わなかったのに…




天職と言っても過言でない職を奪ってしまった。






急に悲しくなることはあったけど、柚香と龍生が支えてくれていて舜くんのことで頭がいっぱいになることはなくなった。


けど…

もしかしたら、0に戻ってしまったかもしれない。








家に帰ってきて1人になった瞬間、体の力が抜けて倒れ込んで泣いた。



息が出来なくて死にそうだった。

でも、正直このまま息が出来なくなってもいい。


と、

思うほど苦しくて苦しくてたまらなかった。







ここまでの失恋は初めてかもしれない。





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