先輩と後輩の関係。
8-
「何なの、この寒さ」
って…
寝起き早々怒ってるけど、そりゃパンツ一丁なんだから寒いに決まってる。
「とって」と指を指して私に指示してくる。
『自分でとってよ』
と、言いながらも優しい私は取ってあげた。
「あ、ズボン…ズボン干してねぇ」
『もしかして、洗濯機の中?』
急いで洗濯機の中を見るとはいはい、入ってます。
いつ干してくれるんだろうとズボンは聞いてそう。
これから浴室乾燥機をしても3時間はかかる…
『メンズの履く?』
「貸して」
私がぶかぶかで着ているメンズのスウェットを仕方なく貸した。
お気に入りだから、悲しいけど…
自分が招いたたねだから強いことは言えない。
先輩は、ちょうどいい感じだった。
先輩は用事があるらしく、慌ただしく帰っていった。
今の時刻11:00だからギリギリなんだろう。
先輩の残されたズボンは、悲しそうに浴槽のポールにぶら下がっている。