優しい犯罪
俺は急いで相方に電話をかけた。
少女がお風呂からあがる前に。
「もしもし。まだ家出てないけど、急いだ方が良い?」
「いや、そういうわけじゃないけど。でも早く来てほしいかも。今、警察が来た。近所で聞き回ってるだけみたいだけど、俺らが家に入った時間がバレてた。
でもそれより他に気になることがありすぎて」
「実は俺も、昨日の書類とか調べてたんだけど。あの家族、結構やばいかもしれん」
「…集まるか」
「おう。じゃあ今から向かうわ」