優しい犯罪





電話を切ると、お風呂から俺を呼ぶ音楽が鳴った。



お風呂場に行くと少女はまだ浴室にいて、扉越しに声をかける。





「どうした?頭とか体とか洗えたか?」


「はい。滲みましたけど、何とか終わりました。湯船に入りたいんですけど、お湯に色がついてて…」


「色?入浴剤のこと?」


「にゅ、入浴剤?」





聞き返すということは、知らない証拠。


< 109 / 296 >

この作品をシェア

pagetop