優しい犯罪
3-3
週に一回のお風呂も五分と決まっていて、頭を洗って傷だらけの体を洗えば、あっという間。
仕上げに排水溝に溜まった抜けた髪を取り除けば終わり。
髪の毛が一本でもお風呂場に残っていれば、罰が待っているし、垢一つも残せない。
汚れや匂いは消えるけど、湯船にゆっくり浸かってリラックスしたい。
そう言ったところで、贅沢だとまた殴られるのは見えているから、いつか湯船に浸かりたいと願いながらお風呂の時間は終わる。
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