優しい犯罪
「リラックスしてるな、私…」
おじさんに、湯船に浸かるのは五分だけと言われたけど、気持ち良いからもう少し浸かりたい。
目を閉じると、そのままウトウトしていたようで、蒸し暑さで目が覚めた。
どのくらい経ったのか分からないけど、五分以上湯船に浸かっていたことがバレたら、おじさんに怒られるかもしれない。
「急いであがらなきゃ…」
タオルで体の水分を取って、さぁあがろうと扉を開けた時、焦点が急に合わなくなった。
目を瞑って頭を横に振り、もう一度目を開けるけど、やっぱり焦点が合わない。