優しい犯罪
深いため息をつきながら、おじさんにどこに連れて行かれるのか疑問に思うことなく、外に出ると物置と反対側に歩き出し、白のSUVの後部座席に押し込まれた。
私が車に押し込まれてからしばらく、おじさんたちは家の中にいたようで、
パンパンになったゴミ袋を四つ抱えて戻ってくると、車が動き出してようやく外に出たことに気づいた。
「お前はあそこの家のやつか?」
「はい、まぁ一応。私をどこに連れていくのか分からないけど、あの家に私を帰してくださいね。じゃないとお母さんにまた…怒られる。物置に大人しく居ないと」
「物置?お前、物置に住んでるのか?」
「はい。住まわせてもらってます」
「居候か?家族じゃないのか?いや、でも。お母さんって言ったよな」