優しい犯罪





少し強い口調で言いすぎただろうか。


少女は小さく頷くと、縮こまって目を強く瞑った。




きっとこれが日常だったんだな。






「…心配したよ。顔真っ赤にして倒れてるんだから。起きて良かった。…安心した」






心から安心して欲しくて、ここは安全で萎縮する必要はないと分かって欲しくて。


少女の頭に手を優しく置いた。




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