優しい犯罪




あんなに叩かれて罵倒されても、母親に愛されているかもなんて期待していた自分がまだいて、鼻で笑った。


私って本当に馬鹿だな。




「…優衣」


「え?」


「あんたの名前。優衣」


「…はい」




真顔で突然何を言い出すかと思えば、私の名前を早速つけてくれたみたい。



起き上がって、返事をしてみた。



< 156 / 296 >

この作品をシェア

pagetop