優しい犯罪
おじさんが私に名前をくれたあの日と同じように、私の心にある恐怖や苦しみを吸い取ってくれる。
けど、あの日と違うことが一つ。
「…おじさん、苦しい」
「あ、ごめん。優衣に何もなくて良かったと思って」
少しハグの力が強くて、嬉しかったけど苦しかった。
おじさんは私より背が高いから、お互いが立ったままだとおじさんの胸あたりに私の頭がくる。
それで強くハグされると、当然息ができない。
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