優しい犯罪
他人に見えたら危険なところにも作るのは、私を家から出していないから。
一度家から出ることを許された時、警察署に向かおうとしたのがバレた。
それからは、子ども部屋から誰も使っていない物置に生活場所が格下げされ、食事は一日一回腐りかけの食べ物をもらい、トイレは物置に捨てられていたポリ袋に。
毎日同じ生活の繰り返しで、その毎日が残酷で絶望。
自分で人生を終わらせた方が幸せになれそうだけど、終わらせる方法がこの物置にはないから、母親に喧嘩をふっかけて殴られ続けたこともある。
その時は気を失うだけで、目を覚ましてしまった。
もう方法がない。
通りすがりの殺人鬼なんて都合の良い人は居ないし、餓死を待つだけのつまらないどん底の日々。