優しい犯罪
おじさんの腕の中でもがくと体が離れ、おじさんの顔が見えた。
目尻は下がったまま、悲しい表情をしている。
「私が行かないって言ったから。心配かけてごめんなさい」
「優衣は悪くないよ。警察が来るなんて知らなかったし。でも、また来るって言ってたんだよな?」
「うん。どうしてまた来るんだろう?おじさんのしたことがバレたんですか?」
「分からない…。バレたかもしれないけど、今逃げたら余計怪しいから。じっとしておこう」