優しい犯罪




家を出ると、赤いランプを上に乗せた車が行列を作っていた。

私とおじさんのために、こんなに沢山の車が必要なんだろうか。



警察官は暇だから、私たちを見物しに来たとか。



私はそんな大人にはなりたくない。




「警察官、嫌い…」



女の警察官に聞こえるように、わざと大きな声で話すと、〝ごめんね〟と謝られた。


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