優しい犯罪
2-1
まだ閉じている瞼は安心してくれているようで、バタバタ動こうが一回も起きずに、眠り続けている。
誘拐して六時間が経った。
まさか自分が窃盗に加えて、誘拐の罪まで重ねてしまうとは。
その場の雰囲気に乗せられて体が動いたけど、後悔はしていなくて、目の前の少女の命を少しでも伸ばせたと満足している。
この少女が眠って四時間は経とうとしている。
もうそろそろ起きる頃だろうと、ご飯を作ることにした。
目が離れるし、もし起きて出て行ったら少女もまずいし俺もまずい。
念の為に扉の鍵を閉めて、キッチンに立った。