優しい犯罪




結果も分からない状態だと不安ばかりが襲ってきて、落ち着かない。


椅子にも座っていられなくて、ソワソワと部屋を動き回る。





「優衣ちゃん?」


「…私の名前」


「前田くんに聞いたんや。良い名前もらったな」





部屋を動き回るのも五周目に入ったところで、扉が開いて関西弁の警察官が入ってきた。



さっきまでお嬢ちゃんだったのに、急に私の名前を呼んだから驚いた。


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