優しい犯罪





「どうして中絶しなかったんですか?」


「尊い命を簡単に殺せません。私のお腹に来てくれた子を、産まない他に選択肢はありませんでした」


「じゃあ、何で産んだ後虐待したんですか?尊い命なら、そんなことはしませんよね?」




どんどん話は進んでいくけど、私は今の父親の子どもじゃないことを、今知った。


母親も私と同じように暴力を受けていたということ?



私は自分が受けたことを、同じように誰かには与えたくない。



話を聞いて、母親への憎しみが少し生まれた。

私は何も悪くない。



暴力を振るって傷つけるぐらいなら、産まないほうが良い。



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