優しい犯罪




〝おぉ〟と小さく声が聞こえると、控えめに私の背中に手が回って、トントンとリズム良く背中に手が置かれた。




「名前で呼んでくれたな。何かくすぐったいわ」


「何で?蓮斗さんは蓮斗さんでしょ?私のことも優衣って呼んでくれるじゃない」


「うん、そうだな」





刑務所の前で良いムードは出していられない。





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