優しい犯罪




「ちょっと待った!何してんの?危ないじゃん」


「え…。ごめん、なさい」


「箸があるんだから、それ使いなよ。熱いからやけどするだろ?」






うどんに突っ込もうとした右手を掴むと、大きく体が揺れる。


突然掴むのは良くなかったけど、やけどするよりは断然良いから。




掴んだ右手を箸の方へ誘導するも、両手に一本ずつ持って見つめるだけで、少女の今までの事情から箸を使ったことがないと察した。


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